太陽の道ウルトラマラニック ①
太陽の道とは
箸墓古墳、檜原(ひばら)神社、大坂山(穴虫峠)、長谷寺、室生寺をはじめ、大和盆地を中心とする著名な遺跡、社寺などが北緯34度32分の線上にほぼ一直線に並び、西は堺市の大鳥大社(さらに淡路島の遺跡や古社)から東は三重県の伊勢斎宮跡まで延びるこの直線は「太陽の道」と呼ばれています。
ここで少し古代史についてお勉強しましょう。
日本の古代史における伝承上の英雄、「ヤマトタケルノミコト」をご存じでしょうか。
『古事記』『日本書紀』では景行天皇の皇子で、熊襲建 (くまそたける) ・出雲建 (いずもたける) を討ち、さらに東征し、伊勢神宮の天叢雲剣 (あめのむらくものつるぎ) を授けられ蝦夷 (えみし) を征討。帰還の途上、伊吹山の悪神に敗れ、伊勢の能褒野(能煩野) (のぼの) で病死。その霊は白鳥と化し大和に向けて飛び去ったという。大和政権の全国統一を一人の英雄に象徴したと考えられている。(出典 旺文社日本史事典)
ヤマトタケルのしかばねは一羽の大きな白鳥に化身し、西へ西へと飛んでいきました。堺市にある大鳥大社の祭神はヤマトタケルノミコト。白鳥と化したヤマトタケルが最後にたどり着いたのが、この大鳥大社の場所だったとされています。紀伊半島の東端から西端まで、ヤマトタケルの白鳥が飛んでいった軌跡は北緯34度32分の「太陽の道」を暗示しているかのようです。
また、日本列島屈指の霊峰である三輪山を通り抜ける北緯34度32分の東西線は、春分の日と秋分の日に太陽がその線上を移動することから、神を崇拝する古代の民にとって、特別な意味があったといわれています。例えば、三輪山と同緯度線上に箸墓が並ぶということは、山頂から見て太陽が沈む場所に、お墓が造られたということです。この箸墓は卑弥呼の墓という説もあるそうです。
さらに、元伊勢の御巡幸(注1)が終焉した際、既に伊勢神宮内宮の地が定められていたにも関わらず、そこから14km近く離れた北緯34度32分の場所に、倭姫命が住まわれる斎宮が造営されました。三輪山の地の力を承継するためにこの地を選んだのではないかと言われています。
注1:伊勢神宮内宮に鎮座されている天照大神は、今から二千年以上も昔、第十一代垂仁天皇の皇女である「倭姫命(やまとひめのみこと)」により奉斎され、伊勢神宮が現在の伊勢市に祀られるまでに、倭姫命は関西を中心に各地に天照大神とともに御巡幸されたと伝えられています。
今回は、太陽の道に並ぶ史跡、神社(大鳥神社、箸墓、長谷寺、室生寺、伊勢神宮など)を巡りながら西の大阪湾をスタートし、東の伊勢湾にゴールする全行程約200km、制限時間40時間の古代歴史街道ウルトラマラニックです。スタートは9月11日(金)22時、ゴール制限時刻は13日(日)14時、まだまだ暑そうです。
予習
本来、4月に行われるはずであったものが、コロナの影響で9月に延期されたおかげで、コースを予習する時間をたっぷりとることが出来ました。
ウルトラマラソンを走られる方は経験があると思いますが、レース中、前後に全く人がいなくなることがあります。コース途中に案内がありませんので、夜の山道でこの状況になると、本当にこの道で正しいのだろうかと、常に不安との戦いです。
少しでも不安を払しょくするために、Google mapと照らし合わせながら、道を曲がる際の交差点名や目印となる建物・看板をコースマップに書き込んでいきます。必要に応じて拡大地図やストリートビューを貼り付け、最初はモノクロだった地図が、次第にカラフルになっていきます。
初めてのコースに思いをはせながらの予習は、それはそれで楽しいのですが、この作業は本当に疲れます。1時間もパソコンや地図とにらめっこしていると、目の周りがガチガチに強張ったり、肩がバキバキに凝ったり・・・トシですねえ。
必要に応じて下見ランも行うのですが、真夜中に疲れて注意力が散漫になってくると、間違えようのない場所で迷子になってしまいます。
今回も3回にわたって下見ランを行う予定です。
準備
エイドステーション以外にコース途中にコンビニもありますので、補給食をどの程度持って行けばよいのかは悩ましいところです。レースのたびに迷っていて、なかなか正解にたどり着けません。
ただ、最近の傾向としては、軽量化を図るために極力荷物を減らしているため、持参する補給職はどうしても少な目になり、後半にガス欠になっているような気がします。
ちなみに、第4回の投稿に登場した小谷さんによると、今回のレースでの補給量の理論値は次のようになります。
消費エネルギー(kcal)=距離(km)×体重(kg)=200×59=11,800kcal
そのうち糖質由来は約55% 11,800kcal×55%=6,490kcal
糖質は1gで4kcalなので 6,490kcal÷4=1,623g
走る前の体内蓄積を330g×80%=264g と見積ると
200km走行中に補給する必要のある糖質は 1,623g-264g=1,359g
最近のお気に入りジェルは「メダリスト」と「アスリチューン」ですが、おのおの1個あたり25.3g、26.3gの糖質が含まれているので、メダリストだと52個(総重量2.3kg)、アスリチューンだと54個(総重量2.3kg)必要になります。
2.3kgか...重いな。でもガス欠を避けるためには持って行った方が良いし、どうしようかな・・・(続く)