沖縄100Kウルトラマラソン（200kmの部）ただしオンライン ⑤

今日は12月24日、クリスマスイブです。

夜も更け、あたりはすっかり静かになりました。

暗闇の中から誰かが私に話しかけてきます・・・

「200km走破、お疲れさまでした。出場者中、2番目に達成ということですが、今の気持ちはいかがですか？」

「ホッとしたというのが正直なところです。最初は1位を狙っていましたが、京都のkenさんが昨日（22日）、早々に200kmを達成されましたので、あとは出来るだけ早くゴールしたいと考えていました」

「昨日時点では、kenさんがゴール間近なのを知って、あとはぼちぼち走ると仰っていたのですが、翌日（23日）一気に走り切りましたね」

「そうですね、兵庫県の「りこぎん」さんが一気に185kmまで距離を増やされたのを見て、闘争心に火が付きました。「りこぎん」さんは64歳ですが、年上の方には負けたくないという思いがありました」

「23日は早朝に15km、午後23km走って、この時点で累積175kmです。残り25kmはかなりの距離だと思うのですが」

「午後は半日年休を取っていましたので、夕食までに残り25kmまでこぎつけて、そのあとは足の状態や体調を見て考えようと思いました。夕方はハンガーノックでフラフラだったのですが、晩御飯を食べると何とか回復し、足の状態も悪くなかったので意を決して走りました」

「そして、23日の22時46分に無事ゴール。開始から4日と22時間46分、走行時間は22時間53分35秒、1キロ当たり6分50秒のペースでしたね」

「やはり、分割して走ると体力が回復しますね。200kmのノンストップレースの場合ですと、32時間以上はかかりますし、足や内臓のダメージは相当のものになりますので、それに比べるといい感じで走ることが出来ました」

「今回は服部緑地公園内の周回コースを延々と走られたわけですが、そのあたりはいかがでしたか」

「あとで計算すると、1周2キロの周回コースを70周以上走っていました。過去にも同じように周回コースをひたすら走るレースがあり、その時はすぐに飽きて嫌になりましたが、今回は不思議と最後まで飽きませんでした」

「走っているときは何を考えていましたか」

「公園内は家族連れが多く、小さな子供を見て、可愛いなと思ったり、散歩にきている犬を見ては、頭をなでたいな、とか。スケボーをやっている少年や、猛スピードの自転車が近づいてくると、頼むからぶつからないでねと祈っていました。あとはそうですねぇ、仕事のことや、様々な人のこと、例えば、チーム・エモヤンのメンバーやブログを読んで下さっている方のこととか。それ以外は、ほぼ、無心で走っていましたね」

「今回のレースで何か得られたものはありましたか」

「身体に蓄積されたエネルギーが少なくなってくると、足が重くなり、極端にペースが落ちることが改めて実感できました。レース中にこまめに補給することも大事ですが、要所要所でしっかりと食べることが必要だと思いました。あと、分割して走ったとはいえ、足のダメージがほとんどなかったのは不思議でした。フクラハギ、フトモモ、足の付け根、長い時間走っていると、だいたいこのあたりが痛くなるのですが、今回は走るに支障を来すほどのダメージはありませんでした。

これはおまけですが、これまでは真夜中の服部緑地公園へ行くことに抵抗を感じていたのですが、それはなくなりました。どこにトイレがあって、どのトイレがきれいかも完璧に把握できました」

「改めて2番目に達成ということに対してはいかがですか」

「12鬼月でいうと、上弦の弐。童魔ですね」

「・・・？」

「笑顔が絶えず、気さくに接するのですが、その本性は残忍で非道。人の心の痛みや悲しみが分からない、いやなタイプの鬼ですよね」

「いや、鬼のことを聞いているのではなく・・・」

「私としては上弦の参・猗窩座のほうがお気に入りで、猗窩座が人間だったころの悲しい話や・・・」

「え～、話は尽きないのですが、お時間が来ましたのでインタビューはこのへんで終わらせていただきます」

「わ～、最後に一言！　チーム・エモヤンのみんな、なんとか走り切ったぞー。ブログを読んで下さっているみんな、応援ありがとー！　オンラインレース、面白かったよー」

次第に声は遠ざかり、クリスマスイブの夜はしんしんと更けていきます。

暖かい布団の中で見る夢は、走り切った私へのクリスマスプレゼントなのかもしれません。

Merry Christmas！　皆様もステキなクリスマスをお過ごしください。　