本屋大賞2021 その1
休日はずっと本を読んでいたのでしばらく投稿できていませんでした。
ほぼ1日1冊のハイペースでガンガン読んでいます。何故かって?
本屋大賞2021の最終ノミネート10作品が決まったからです。
本屋大賞をご存じない方のために簡単に説明しますと、2004年に設立されたNPO法人・本屋大賞実行委員会が運営する文学賞で、全国の書店員さんの投票によってノミネート作品及び受賞作が決定されます。
毎年今の時期に、一次投票で選ばれた最終ノミネートの10作品が発表され、4月上旬に大賞が決まります。
過去17回の大賞は、以前の投稿で私の徹夜本として紹介した恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」をはじめ、豪華絢爛たる作品が大賞を受賞しており、大賞受賞作は勿論のこと、最終ノミネート作品は、本を選ぶ際の参考にしてきました。
今年はこれまでと趣向を変え、大賞が発表されるまでにノミネート作品を全て読破し、私なりの本屋大賞を選んでみたいと思います。
ということで、今回は前半の5作品を紹介します。(以下、読んだ順)
・推し、燃ゆ 宇佐見りん
内容(「BOOK」データベースより)
推しが炎上した。ままならない人生を引きずり、祈るように推しを推す。そんなある日、推しがファンを殴った。
作者の宇佐見りんさんは、21歳の現役大学生。この作品で第164回芥川賞を受賞されました。私の年齢では、主人公に感情移入するのは難しいかも(笑)。
・お探し物は図書室まで 青山美智子
内容(「BOOK」データベースより)
お探し物は、本ですか?仕事ですか?人生ですか?悩める人々が立ち寄った小さな図書室。不愛想だけど聞き上手な司書さんが思いもよらない選書と可愛い付録で人生を後押しします。『木曜日にはココアを』の著者が贈る、明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。
人生がうまくいかないと感じている人、一歩前に踏み出せない人、そんな人の背中を押してくれる心温まる五つのストーリーです。
・八月の銀の雪 伊与原新
内容(「BOOK」データベースより)
不愛想で手際が悪いコンビニのベトナム人店員グエンが、就活連敗中の理系大学生、堀川に見せた驚きの真の姿。(『八月の銀の雪』)。子育てに自信をもてないシングルマザーが、博物館勤めの女性に聞いた深海の話。深い海の底で泳ぐ鯨に想いを馳せて…。(『海へ還る日』)。原発の下請け会社を辞め、心赴くまま一人旅をしていた辰朗は、茨城の海岸で凧揚げをする初老の男に出会う。男の父親が太平洋戦争で果たした役目とは。(『十万年の西風』)。科学の揺るぎない真実が、人知れず傷ついた心に希望の灯りをともす全5篇。
神戸大学理学部卒業のバリバリの理系の方ですが、理系らしい題材をどの作品も見事に料理されています。伝書バトの帰巣本能を題材にした「アルノーと檸檬」を読んだとき、フラフラと親元を飛び立っていった二人の子供のことを思い出しました。
・滅びの前のシャングリラ 凪良ゆう
内容(「BOOK」データベースより)
「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。そして―荒廃していく世界の中で、四人は生きる意味を、いまわのきわまでに見つけられるのか。圧巻のラストに息を呑む。滅び行く運命の中で、幸せについて問う傑作。
続きが気になって、寝食を忘れて一気に読みました。さすがは前年の本屋大賞受賞作家。果たして二連覇なるか?
・52ヘルツのクジラたち 町田そのこ
内容(「BOOK」データベースより)
52ヘルツのクジラとは―他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる。
「滅びの前のシャングリラ」の余韻を引きずりながら読み始めたため、そんなに期待はしていなかったのですが、読み始めると一気に引き込まれてしまいました。途中でつらくなるシーンもありましたが、読後はスッキリと。明日も頑張ろう!という気持ちになりました。
さて、前半5作品を読み終え、あえてこの段階で順位をつけるとすればこのようになります。なお、理由は全作品のランキングを発表するときにお知らせしますので悪しからず。
1位 お探し物は図書室まで
2位 52ヘルツのクジラたち
3位 滅びの前のシャングリラ
4位 八月の銀の雪
5位 推し、燃ゆ
いよいよ、残り5作品。大賞候補の「逆ソクラテス 伊坂幸太郎」や、話題となった「自転しながら公転する 山本文緒」、NEWSの加藤シゲアキくんの「オルタネート」など、オモシロ作品が目白押しです。
ああ、今夜もまた眠れない・・・