十人十色

普段トレーニングで走っているときや、レースに出場した際に、個性的なランナーに出会うことがあります、私自身は練習でもレースでも、ごくごく普通のスタイルで走っていますので、特段目立つことはないと思うのですが、それでも過去に一度だけ、トレイルランナー山本健一さんの真似をして、足にカラフルなテーピングを施してレースに出場した際に、地元のCATVのインタビューを受けたことがありました。

とはいえ、それも一度きりで、その後はテーピングの量も減らして目立たなくなり、見た目はどこにでもいるランナーではないかと思います。

さて、今回は私がこれまでに出会った個性的なランナーを紹介したいと思います。

まずは、日本100マイルクラブのイベントでよくご一緒させていただくFさん。彼は舗装された道路だけでなく、どんなに荒れた山道でも裸足で走ります。勿論、以前に投稿した「関西夢グレートラン(320km)」も裸足で走ります。

痛くないのかなぁ、怪我しないのかなぁ、いろいろ気になりますが、本人曰く「慣れるまでは大変だったけど、今は全く問題ない」とのこと。山で登山者やハイカーにすれ違うと「見た?あの人裸足だったよ!」と、ほぼ100%驚かれますので、そのときは私までドヤ顔になってしまいます。

とはいうものの、「犬のウ●コとか踏まないのかなぁ」と、ヒヤヒヤしながら見ているのですが・・・

続いて、沖縄のレースで2年続けてご一緒させていただいた、北海道出身のSさん。Sさんは私より一回り以上若い女性ランナーなのですが、なんと2年続けてこのレースで優勝したすごいランナーです。勿論、優勝するだけあって持久力、スピード、どれをとっても私よりはるかに上なのですが、彼女の何がすごいかって、スマホを操作しながら走るのです。

走っている最中におもむろにスマホを取り出し、一心不乱に文字を入力、それも全然ペースを落とさずに、足下の木の根や段差をよけながら軽やかに走り続けます。見ているこちらがヒヤヒヤして「危ないですよ~」と注意をするのですが、「ありがとうございま~す」とさわやかに返事をするものの、打つ手は止めずスマホを操作しながら走り続けるのです。いや~、目が4つ付いているのではと思うほどです。

言っときますけど、走りながら・歩きながらのスマホはダメですからね。くれぐれも皆さんは真似しないように。

歩きながらのスマホはやめましょう

三人目は、200キロオーバーのレースで何度かご一緒させていただいたSさん。彼のレースマネジメントは独特です。レース途中で前の方をダルそうに歩いているSさんに追いついて様子をうかがうと、どう見てもリタイヤ寸前で、「あぁ、気の毒にSさん終わったな」と思うのですが、しばらくするとおもむろに走り出し、あっという間に追い抜いていくのです。

ところが、しばらく行くと、また前の方を疲れた様子で歩いているSさんに追いつきます。これを延々繰り返し、結果的には最後まで走り抜くという、彼の作戦なのかどうかはわかりませんが、ある意味すごいランナーだと一目置いています。先日の小江戸大江戸でも230キロの部を見事に完走されていました。さすがSさん!

レースマネジメントのことを語るなら、関西夢グレートランを何度も完走されているYさんを忘れてはいけません。年齢はおそらく私と同じぐらい、体格も小柄・細身で、一見するとどこにでもいそうな関西のオッチャンです。

ところが、いざレースになると最初から最後まで、上り坂であろうと下り坂であろうと、全く同じペースで走り続けます。エリートランナーは別にして、レースも中盤以降になると、上り坂は歩いて足の回復を図るランナーが大半ですが、Yさんはほぼ100%走って上ります。決して早くなく、むしろゆったりした遅いペースで一歩一歩進む様子は、まるで精密機械のようです。Yさんに「上り坂で走るのは、後々ダメージになるのでは?」と聞くと、歩くとペースが乱れ、逆に疲れてしまうとのことでした。

Yさんのレースマネジメントは、超ウルトラを完走する秘訣のような気がします。とはいえ、言うは易し、行なうは難し。ずっと走り続けるのって根性いりますよ~。すごいですYさん!

ウルトラランナーは個性的な方が多いです。ただ、共通しているのは皆さんドMで、自らを追い込み、いじめ抜くことに喜びを感じています。

勿論、私もその一人なのですが、その自覚がないところが厄介ですね。

unique runner

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