本屋大賞2021 その3
本屋大賞2021が発表されました。
見事大賞を獲得されたのは、町田その子さんの「52ヘルツのクジラたち」でした。
内容(「BOOK」データベースより)
52ヘルツのクジラとは―他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる。
まずは大賞受賞おめでとうございます。明日への活力を呼び起こされるような読後の爽やかさは、大賞にふさわしい作品ではないかと思います。
とはいえ、以前の投稿で書いたとおり、私の評価は候補10作品中の6位(すみません!)。世間と自分のズレ度合いがよくわかりました。ちなみに、私の評価と実際の順位を比べてみると・・・
当たったのは3位の「犬がいた季節」だけで、私の評価より下がった作品(赤→)が3作品、上がった作品(青→)が6作品と、大外れの結果となりました。
評価を下げた3作品、その中でも「逆ソクラテス」と「オルタネート」の厳しい結果には驚きです。確かに「逆ソクラテス」は短編5編の最後の方が、やや前半に比べて爽快感が尻すぼみしている感がありましたが、それでもトップ3には入っているだろうと思っていたので、この結果はよもやよもやです。
「オルタネート」はひょっとしたら大賞をとるのではという期待があったのですが、作者の加藤君がマイナス要素になるのではという悪い予感もあり、残念ながらその予感が当たってしまいました。「物語のおもしろさ」「物語の世界に自分を投影できるかどうか」「もう一度読み返したいかどうか」「読後感の善し悪し」全てを満たしていると思っていましたので、今回の結果は非常に残念です。
感じ方やとらえ方は人それぞれ、十人十色なので、これだけ評価が分かれるのは当然のことかもしれません。
ただ言えるのは、今回のノミネート作品はどれも素晴らしく、毎年この時期に本を読むことの面白さや楽しさを再認識させてくれる「本屋大賞」には改めて感謝したいと思います。
ランニングと同じぐらい、私の日常の一部となっている読書ですが、コロナ禍で益々読書量が増える中で、今年はどんな本と出会えるでしょうか。
これからも、沢山の本を紹介していきたいと思いますのでお楽しみに!
決して「結構本を読んでいるって言っていた割には、大外れじゃないか。オマエの勧める本なんて、当てにならないんじゃないの?」などと言わないように・・・