瓢箪山ビバーク 東高野街道マラニックにて

いにしえの人々が高野山詣でをする際に通った歴史街道として、今も残っているのは、四つの起点から河内国長野村(現在の河内長野市)に至る、東高野街道、中高野街道、下高野街道、西高野街道、そして長野村から紀伊国橋本(和歌山県橋本市)に至る高野街道、橋本から高野山までの町石道、京大坂道、勅使坂、黒河道です。

6月26日~27日にかけて、街道の中でいちばん東側に位置し、山城国八幡(現在の京都府八幡市)を起点とする、東高野街道を走ってきました。但し、コロナの影響を鑑み、大阪府交野市からの出発で、約45kmの短縮バージョンです。しかも、暑さを避けるために、22時30分スタート、翌朝ゴールという完全夜間走です。

近鉄交野線が人身事故により運行が乱れ、スタート時間が30分近く遅れるというハプニングがありましたが、私を含めた8名の参加者は無事に交野駅を出発しました。いつも車で併走してエイドサポートをしてくださる主催者のナビさんとマリリンさんも今日は一緒です。コースは細い路地に入ったり、予想もしていないところで曲がったりと、非常にややこしかったのですが、終始、ナビさんが先頭で引っぱって下さっておかげで、道に迷うこともなくゴールにたどり着くことが出来ました。

道中はほぼ歩きでしたので、ゴールするまで11時間近くかかりましたが、和気あいあいと夜の東高野街道を満喫することが出来ました。

本来であれば、「あ~面白かった」であっさり終わるのですが、途中で聞いた「瓢箪山ビバーク」の話が忘れられず、独り占めするのはもったいないので皆様にもお伝えしたいと思います。

「ビバーク」という聞き慣れない言葉をご存じでしょうか。登山用語なのですが、計画した目的地の山小屋や下山口にその日のうちに辿り着けなくなってしまい、やむを得ず有り物の装備だけで山中で一夜を越すことをいいます。いわゆる「野営」です。

ビバークにはツェルト(簡易テント)、非常食、防寒着などが必要で、これらをリュックに詰めると結構なボリュームになります。もちろん、今回のイベントは山に入るわけでもなく、ずっと平坦な市街地を通るので、これらの装備は不要です。大きな登山用リュックに比べて、ランニング用のリュックは軽くてコンパクトです。

ツェルト(簡易テント)

さて、今回の参加案内には「瓢箪山で少し長めの休憩をとります」と書かれています。私自身、瓢箪山のことを知らなかったのですが、これを読んだときには「あれ、街道の途中に山があるのかな?」程度にしか思わず、さして気にとめることもありませんでした。

ところが、数年前の参加者で、この文言を「途中、山でビバークする」と解釈し、重装備のリュックを背負って来られた方がいたそうです。

実際、瓢箪山に着いてみると、そこはどこにでもありそうな駅前の商店街で、当然山はなく、「少し長めの休憩」というのもコンビニで食べ物を買って、近くのビルの階段に座って、時間調整を兼ねた食事休憩をするというものでした。重いリュックを背負ってこられた方も、さぞや驚かれたことと思います。ちなみに駅前のアーケード商店街は国道170号線旧道となっていて、国道がアーケードとなっているのは全国でもここと長崎県長崎市の国道324号線(浜町(はまのまち)アーケード)の2ヵ所だそうです。

駅前の交番の上には瓢箪のオブジェが

瓢箪山中央商店街 <サンロード瓢箪山> 真ん中は国道170号線旧道です

これ以降、「瓢箪山でビバークって」と思い出すたびに、ニヤニヤ思い出し笑いをしていたのですが、よくよく考えると、私自身も「途中で山に登る」と勘違いしていたわけで、決してこの方のことを笑えないなあと思いました。5月2日の投稿にも書きましたが、たまに思い込みが激しいときがありますので、これを他山の石として、私自身も注意したいと思います。

でも、瓢箪山でビバークって。あかん、思い出したら笑ろてまう。この方には申し訳ないのですが、どうやらツボにはまったようです。

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