短冊に願いを込めて
阪急豊中駅の東側に「銀座通り」と呼ばれる商店街があり、毎年この時期になると近くの小学校の生徒が書いた七夕の短冊が、約80m続くアーケードの軒先に吊るされます。
小学生らしい自由な発想で書かれた願い事を見ることが、ささやかな楽しみとなっており、毎年この時期が来るのを心待ちにしています。
今回は、今年の作品(あえて作品と呼ばせてください)の中で、私のハートをギュッと鷲掴みしたものを紹介します。
「早くコロナウイルスがなくなりますように」
時節柄、やはり多かったのがコロナの終息を願うものでした。ぱっと見た感じでは、全体の2割ぐらいはコロナ絡みではないでしょうか。子供なりに、コロナのことを心配しているのでしょう。
そんな中でも、次の作品には胸を打たれました。
「国からの給付金がでますように」
字面からすると、小学校高学年でしょうか。子供にここまで心配をかけている現実を、我々大人は反省しなくてはいけないと改めておもいました。
「犬としゃべりたい」
可愛い願いですね。きっと飼っているペットのワンちゃんのことが大好きなのでしょう。大丈夫、言葉は通じなくても君の心はきっと通じますよ。
「いつもはれますように」
お天気のことだけでなく、気持ちの上でもいつも晴れるといいですね。これから大人になると雨の日もあるけど、雨は必ず上がるからね。
ここからは、私のツボにハマった作品です。
「サンタがおとなしくなりますように」
もちろん、サンタというのは飼っている犬か猫のことなのでしょうが、解っていながらも暴れているサンタクロースが頭に浮かんで、思わず笑ってしまいました。
「ぼくの人生にありえない出来事がおきますように」
ありえない出来事!いったい何なのでしょう。大谷選手のように二刀流の選手として大リーグで活躍することなのか、藤井2冠のように最年少で9段になることなのか、あるいは宇宙人が地球にやってきて最初の遭遇者になることなのか、あぁ、自分の発想の貧困さがいやになります。とはいえ、想像がどんどん膨らんで楽しいですね。
「中学は帰宅部になりたい。高校も。」
小学校の部活でいったい何があったのでしょう。人間関係で何か嫌なことがあったのでしょうか。これを読んだ学校の先生や友達が相談に乗ってくれることを心から祈っています。
いかがでしょう。今回紹介しきれなかった中にも力作・秀作はたくさんあります。輝く未来に向かって子供たちが発信した願い、我々大人たちは彼らからのメッセージを大事にしていきたいと思います。
ところで、自分なら短冊に何を書くかって?
そうですね、「7月7日のワクチン接種が痛くありませんように」ですかねぇ・・・