赤間関街道中道筋マラニック大会
5月3日~4日にかけて行なわれた「赤間関街道中道筋マラニック大会」は、23時間20分27秒でゴールすることができました。制限時間が28時間でしたので、4時間40分近く余裕を持ってのゴールでした。
100km以上のレースを完走したのは、2019年9月16日の「うつくしま、ふくしま。ジャーニーラン」以来なので、実に961日ぶりの完走です。やはり完走はうれしいもの、喜びの余韻に浸っている今日この頃です。
さて、今回完走できた要因はいくつかあるのですが・・・。
・初めてのコースが目新しく、しかも幕末の勤王の志士たちが往来した旧街道ということもあって、歴史好きの私にとって興味深く走ることが出来たこと。
江戸時代寛永~正保(1624~48年)萩城下と赤間関(下関)を結ぶ街道として赤間関街道が整備されました。赤間関街道には中道筋・北道筋・北浦筋とあり、中でも美祢市を通る中道筋は最短距離として主要街道となっていたそうです。幕末、吉田松陰、高杉晋作など多くの維新志達が駆け歩いた歴史街道として、歴史の道100選にも選ばれています。
勤王の志士たちもこの道を通ったんだと思うと、感慨深いものがありました。明治維新はわずか160年前の出来事です。当時のまま残っている未舗装の街道を歩いていると、時間が160年遡り、まるで維新の時代をリアルに生きているような感覚に陥りました。
そして思い出したのが、高校3年生の大学受験前の大切な時期に、現実逃避で司馬遼太郎の小説を読みまくっていたことです。その中の一冊、「世に棲む日日」は吉田松陰と弟子高杉晋作を中心に、変革期の青春群像を鮮やかに描き出した長篇小説です。まさか40年後に小説の舞台となった街道を走ることになろうとは、当時の私が知ったら驚くでしょうね。
・補給計画が成功して、ガス欠を起こさなかったこと。勿論、途中のエイドステーションで出された蕎麦やカレーラース、おかゆがエネルギー源となったことは言うまでもありません。
・初心に返って、下半身を中心にテーピングを施したこと。ウルトラを走り始めた頃に行なっていたテーピングも次第に面倒になって、最近では必要最低限のテーピングしかしていませんでした。今回は、脛、ふくらはぎ、ハムストリング、大腿四頭筋、腰、肩と、フルラインナップのテーピングで臨んだおかげで、筋肉疲労がずいぶんと軽減されました。
そして何よりも、二つの強力な武器を携えてレースに臨んだことが、安心して最後まで走り切れた大きな要因ではなかったかと思います。
一つ目は「GARMIN FENIX 7S」、いわゆるGPSウオッチです。長年使ってきたエプソンのランニングウオッチに不具合が出てき始めたので、思い切って新調したのですが、内蔵されているナビゲーションマップが有効に機能しました。スマホ経由でコースをあらかじめダウンロードしておくと、正確にコースをナビゲーションしてくれるのです。
更に、コース上の誘導コーンや赤間関街道の標識が大変わかりやすく、なんと一度も地図を見ることなく走りきることができました。コースロストは肉体的にも精神的にもダメージを受けますので、今回それがなかったことは大きかったと思います。
そしてもう一つは「NOOSA TRI 13」、アシックスのランニングシューズです。このシューズに出会ったのは、今年の小江戸大江戸200kの230kmの部で優勝されたランナーのインタビュー記事で紹介されていたことがきっかけです。シューズに関してはさんざん迷ってきたことはこれまでにも紹介しましたが、ようやく私にピッタリのシューズに出会えました。いや、出会えたような気がします。
長時間の足へのダメージが少なく、それでいて推進力もあるような靴を求めて、様々なメーカーのシューズを試してきましたが、何かしら欠点があり「これだ!」と言えるものに出会えませんでした。「NOOSA TRI 13」はお店で初めて足を入れた瞬間から、フィット感や走行時の感覚に手応えを感じ、果たしてレースでも最後までストレスなく、安心感を持って走ることが出来ました。
このように二つの武器はうまく機能しましたが、それは、素晴らしいコースや主催者やボランティアの皆さんの暖かいサポートがあったからこそだと思います。完走できたから言えることかもしれませんが、今までに経験した中でも三本の指に入る素晴らしい大会でした。
来年も是非参加したいと思います。本当にありがとうございました!
(おまけ)今回は観光気分で写真をたくさん撮りました。そのうちの一部ですが、紹介したいと思います。