24時間リレーマラソン神戸大会(シングルの部)
7月30日土曜日、朝9時の段階で豊中市の気温は30度を超えていました。
玄関を出た瞬間「やめようかな」と正直思いました。天気予報でもしきりと「命の危険のある暑さです」言っていたし、どう考えてもこの暑さの中で24時間も走るなんて異常です。
いやがる脳みそをだましだまし、なんとか神戸市営地下鉄の総合運動公園駅に到着しましたが、改札を一歩出た瞬間「やめようかな」と本日二度目のボヤキが出てしまいました。
受付でもらった参加者名簿を見ると、24時間シングルの部の参加者はなんと129人! 7年前に参加したときは80人程度でしたので、7年間で変態さんが1.6倍に増殖したようです。
陸上トラックの観覧席がシングル参加者の待機エリアなのですが、既に色とりどりの小型テントが何基か設営されていました。私はといえば、着替えを詰め込んだバック一つという、ほかの参加者と比べるとかなりの軽装で、なんとなく「何度か参加しているベテラン感」を醸し出しているよなと、一人悦に浸っていました。7年前は私もちゃんと小型テント持参で、休憩場所をがっつり確保していたのですが、テント内の異常な温度に堪えられず、結局は一度もそこに横たわることはありませんでした。まあ、学習効果というやつでしょうか、結果的には軽装で正解だったと思います。
さて、「現在の気温は40度を超えています。皆さん、決して無理をしないように」というアナウンスも7年前と同じ、そのアナウンスを聞いた参加者同士がウンザリしたような表情で顔を見合わせるというのも7年前と同じで、このとき初めて「ああ、24時間リレーマラソン神戸大会に帰ってきたんだなぁ」と実感しました。
あ・つ・い! とにかく暑い! わかってはいたのですが、尋常ではない暑さです。3周走ると足はストップ、次の1周は完全に歩きです。3周走って1周歩く、これならなんとか続けられそうだと思い、日没まではこの作戦でいくことにしました。
エイドステーションには必ず立ち寄り、スポーツドリンクと水(途中から甘酒も出ました)を飲み、かぶり水で腕や首回りを冷しながら、時にはかき氷で気分転換しながら、なんとか熱中症にならないようギリギリのところで走り続けました。
日没の写真を撮影したのが18時33分でしたが、これ以降は日中の暑さが嘘のようにずいぶん走りやすくなりました。それでも気温は28度を下回ることはなかったようですが。
夕食として出された「助六寿司」も完食して気分一新、1周の間で走りと歩きを織り交ぜる作戦に切り替えて、淡々と周回を重ねていきました。
ただ水分の取り過ぎもあってか、12時間を過ぎた当りから胃がムカムカし始め、次第にペースダウンしていきました。コースを外れて横になる頻度も増え、徐々にですが気持ちは止める方へ、止める方へと向かっていきました。
薄らと明るくなり始めた東の空を撮影したのが4時28分。
「太陽が出るとカラダが崩れてしまう」と焦る気持ちは、まさに滅鬼の刃「刀鍛冶の里編」で禰豆子を心配する炭治郎になった心境でした。あれ、これに似たフレーズ1年前にも使いましたよね・・・
それはさておき、今から7時間近く、あの暑さをもう一度堪えなければならないのかと思うと、完全に心が折れてしまいました。
「始発電車で家に帰ろう」と決めたのが5時頃、既に何周走ったのかもわからなくなっていましたが、それすらもはや気にならず、大会事務局に計測チップを返還して家路についたのでした。
ああ、なんという根性のなさ。一度は克服した「家に帰りたい病」がまた発病するなんて。何時間経っても同じペースを保ち続ける一部のランナーを見て、己の走力の低下を痛感しました。
明らかに練習不足でした。これはなんとかしなければ本当にまずいぞ、このままでは終われない。焦りにも似た感情を抱きながらも、どうすれば良いのか答えが見いだせず、悶々としながら家路についたのでした。
後日談
大会主催者発表によると、私の記録は40周・68km・16時間55分16秒でした。
84人の方が24時間走りきったようです。