キタ、キタ、キタ~!
今から7年半前、初めてのフルマラソン(富士山マラソン)を走り終えたときの様子を久しぶりに読み返してみました。
ゴールしたらきっと泣くに違いないと思っていたのだが、泣くどころではなく足が右へフラフラ、左へフラフラ。なんとか荷物を置いた場所までたどり着いて腰を下ろした瞬間、左右のふくらはぎとハムストリングと大腿四頭筋が同時に攣ってしまった。ピキーンという感じ、痛い、激痛だ。人生50年、経験したことのない痛みだ。微動だにできなかった。
痛みが治まるまで待つこと30分。ようやく痛みが引いたので、よっこらしょと立ち上がると、今度は右足のふくらはぎとハムストリングと大腿四頭筋が同じ状態に。またまた激痛。
これがレース中に起きていたらと思うとぞっとした。おそらくその場で1時間はタイムロス、あるいは最悪棄権ということになっていたかもしれない。(2014年11月30日)
なんと、今回のレース(えびす・だいこく100kmマラソン)の82kmあたりで、同じような状況になってしまいました。
前半の50kmは噂に違わぬアップダウンの連続でしたが、まあなんとかやり過ごし、さていよいよ残り50kmと気持ちを切り替えたあたりから、なんとなく足が攣りそうな感じがしてきました。
完全に痙攣や攣りになった状態を仮に100とすると、80近くのレベルまでその兆候が表れてきたのです。ふくらはぎが突然ピクピクし始め、大腿四頭筋も負けじとピクピク。出ては治まり、治まってはまた出るの繰り返し。
まずいなー、大量の汗をかいたおかげで、電解質(ミネラル)のバランスが崩れているなあ。わかってはいるのですが、スポーツドリンクなどでのミネラル補給にも限界があり、あとはだましだまし進むしかないです。
ランニングウオッチに表示された気温は、なんと34℃!
エイドステーションでは倒れ込むランナーが増えるようになり、救急車で運ばれるランナーまでいて、さながら野戦病院の様相を呈してきました。
84kmの関門まであと20分、残り2kmをゆっくり進んでもなんとか間に合いそうだと思った瞬間、突然、両脚に激しい痛みが襲いかかり、歩道でしゃがんだまま動くことができなくなってしまいました。数メートル先の誘導員の方も心配そうにこちらを見ていますが、手で大丈夫と合図をしようにも、横腹が攣ってそれすらできませんでした。
10分程度でなんとか起き上がることはできたのですが、もはやこれまで。残念ですが通りかかった収容車に乗せてもらいここでリタイアです。
これまでのようにメンタルが理由ではなく、猛暑によるフィジカルダメージが原因でのリタイアでしたので、しょうがないとの思いはあるものの、残りが18kmだっただけに無念さは残りました。
レース自体はさすがに28回目を迎えるだけあって、運営スタッフのきめ細やかなサポートや沿道の暖かい応援は素晴らしいものでした。皆様、どうもありがとうございました。
コースも出雲の国のパワースポットを巡り、大山隠岐国立公園内に位置する島根半島の豊かな自然、日本ジオパークに認定された素晴らしい景観を十分に堪能することができました。
来年、もう一度リベンジしたいと思います。出雲大社詣ではそのときまでお預けにしようと、大阪への帰路についたのでした。
追伸
出雲大社駅から出雲市駅に向かう電車の中でのこと。二つ目の駅を出発してしばらくすると、車両の前の方で「人が倒れました。お医者さまはいませんか」と叫び声が聞こえてきました。次の駅で救急車にきてもらったのですが、救急隊員による搬送作業中に、私の近くにいた人も床に倒れ込み、動けなくなってしまいました。また別の人は顔面蒼白になって奥さんに支えられ、また別の人も意識不明で倒れ込む事態に。合計5人(いずれもレース出場者)の方が救急車で搬送されることになり、一時電車内はパニックになりました。
やはりレースは過酷だったのです。搬送された5人の方は大丈夫だったのでしょうか。
翌日、HPの結果速報によると、出場者489人中、完走は254人。完走率は51%でした。例年完走率は70%程度らしいので、51%という数字は今回の厳しさが表われていると言っても良いのではないでしょうか。それが故に、完走された254人の皆さんには心から敬意を表します。