歌の力 ~Long Road~
たまにですが、走っている最中にコケることがあります。
段差につまずいたり、木の根に足を引っかけたり。この6年間に、覚えているだけで4回はコケています。これって多い方でしょうか? それとも少ない方でしょうか?
1か月ほど前にも、見事にコケてしまい、左右手のひらと左ひざが血まみれになってしまいました。傷を見たある人から「小学生みたいなコケ方ですね」と言われる始末。経験のある方は分かって頂けると思いますが、アスファルトって本当に硬いですね。
自転車に後ろから追突されそうになったこともあります。細い道から飛び出してきた車とぶつかりそうになったことも一度や二度ではありません。
街には至る所に危険が潜んでいるので、五感を研ぎ澄まして走るように心掛けています。なので、音楽を聴きながら走ることはありません。
とは言いながらも、好きな曲にパワーをもらって疾走する、そんなシチュエーションに憧れを持っています。
数年前に放送されたNHKのグレートレースで、飯野航さん(注1)が終盤まで競い合っていたランナーを振り切るために、JUDY AND MARYの「Over Drive」を聴いてラストスパートをかけるシーンがありました。飯野さんは見事にライバル選手を振り切って、そのステージを1位でゴール、カッコよかったです。
いつかは私もやってみたいと思っているのですが、グレートレースの舞台となるような砂漠や荒野ならいざ知らず、公道を使っての日本のレースでは危なくて無理です。
(注1)飯野航さん 日本を代表するウルトラランナーの一人。2014・15年のチャレンジ富士五湖を連覇。2016年のナミブ砂漠250kmで優勝。2017年のBad Water135で優勝。
その代わりといっては何ですが、走っている最中に歌を口ずさんだり、口に出さないまでも頭の中で歌うことはよくあります。よくあるどころか、レース後半の疲れを紛らわせるために、かなりの確率で歌っています。
実は100kmレースを走り始めたころ、何としても10時間を切りたかったので、キロ5分45秒で走るテンポに会う曲を真剣に探したことがあります。スタートからゴールまで、その曲を口ずさみながら走れば、最後まで良いペースで走ることが出来るのではと、そのときは本気で考えていました。
実際は、レース序盤からすでに歌を口ずさむ余裕はなく、作戦は見事に失敗。現実は甘くなかったです。(ちなみにこの時選んだ曲は、AKBの「鈴懸の木の道で・・・(略)」でした)
3年前のGWに「川の道フットレース」(注2)に出場したときのこと。
長野県を走り終え、新潟県に入ったときに、頭の中で急にアンジェラ・アキの「手紙 ~拝啓十五の君へ~」が流れ始めました。東京、埼玉、群馬、長野と長い道のりを経て、ようやく最後の新潟にたどり着いた安心感とアンジェラ・アキの優しい歌声が相まって、涙がとめどなくあふれ出し、号泣してしまいました。なぜこの曲が頭に浮かんだのか、今となっては当時の心理状況を分析するすべもありませんが、その時の「手紙 ~拝啓十五の君へ~」は心の奥深くに響き渡りました。
(注2)川の道フットレース 東京湾に面した葛西臨海公園から新潟日本海までの520km、制限時間132時間という超ロングレース。
私は歌の力を信じています。苦しくなって挫けそうなときに、歌に励まされたり元気をもらったり、あるいは、懐かしい情景や記憶が歌とともに思い出されたり、歌には不思議な力があると思っています。
人との出会いがそうであるように、歌との出会いにも運命を感じます。最近の運命的な出会いは、w-inds.の「Long Road」、2003年10月に発売されたw-inds.の10枚目のシングルです。
今頃かよ!
と、思い切り突っ込まれそうですが、恥ずかしながら最近までw-inds.の曲は、ほとんど、いや、全くと言ってもいいほど知りませんでした。ファンの皆様、すみません。
チーム・エモやんのAさんに教えてもらったのがきっかけで、iTunes Storeで片っぱしからw-inds.の曲のサビの部分を聴きまくりました。この曲を聞いた瞬間、「あっ、これはチームのテーマソングにぴったりだな」と感動すら覚えました。この曲に出会えるきっかけを作ってくれたAさん、ありがとう!
この曲は未来に希望をのせた歌ですが、ウルトラ・ランナーの心に響くフレーズがたくさん出てきます。
失くすものさえ何もないから
歩いて行ける もう振り向かないで
いつもの帰路(みち)も 眠れぬ夜も
すべてが明日へと繋がっていく on My Own Road
とか、
見上げた青い空は 今日も僕には 眩しいけど
瞳(め)をこらせば 夢が見えてるから
踏み出す 遥かな道へ Wow wow
とか、
廻り道でも 迷ってもいい
其処にだけ咲く 花を見つけるから
旅立ちはそう いつも孤独さ
雨なら打たれて 風に吹かれ さあ行こう
というわけで、チーム・エモやんのテーマソングは「Long Road」に決定しました。
さあ、挫けそうになったらこの曲を思い出し、遥かな道を進んでいくぞ~!
※ w-inds.の所属事務所が2020年5月31日付けでメンバーの緒方龍一さんが脱退し、今後は、橘さん・千葉さんの2人でグループ活動を継続することを発表しました。これまでとは違うスタイルとなってしまいますが、これからのご活躍をお祈りいたします。