(鬼滅風に)ゲン担ぎ柱 仁楠 信二朗
昨日は13日の金曜日でした。
一日中家にいて、しれっとやり過ごしたかったのですが、さすがに13日の金曜日だからという理由で会社を休むわけにもいかず、仕方なく出勤しました。
出勤しても身動きが取れず、一日中机に向かってじっとしていました。
勿論、ランニングや筋トレもやりません。怪我をしたら大変です。
何故か? それは私が極度の「ゲン担ぎ」だからです。
思い起こせば44年前、小学校の給食の時間に、おかずを全部こぼしたのが13日の金曜日。それがトラウマとなって、13日の金曜日は毎回、ビビりまくりです。
それ以外にも、様々なシーンでゲンを担ぎます。
家から駅までの通勤路では、信号のたびに左右に鞄を持ち替えます。
何故か。交通事故にあわないためです。
近くの神社の前を通るとき、心の中で家族の健康や大事な人の幸せを念じます。
何故か。そうしないと家族や大事な人が不幸になるからです。
靴や靴下は必ず右から履きます。
何故か。足を怪我しないためです。
味噌汁に入れる豆腐の数は五つです。四つしか入っていないときは、そのうちの一つを箸で割ります。
何故か。忘れました。
何の根拠もない、馬鹿げた習慣なのですが、一旦、ある事柄を始めると、途中でやめられなくなってしまうのです。その事柄をやめると、何か良からぬことが起きるような気がして、やむなく続けてしまいます。そうこうするうちに、ますますやめられなくなり、悪循環に陥ってしまうのです。
生活に支障を来すわけではないのですが、ルーティーンがどんどん増えていき、やがてにっちもさっちも行かなくなるのではと危惧しています。
この原稿を書いている最中にふと思い出したのですが、そういえば、これをやらないと大きな地震が来るからといって、ずっと続けていた習慣がありました。
うっ、いくら考えても思い出せない。その習慣をいつ辞めてしまったのかも思い出せない・・・
ゲン担ぎって、しょせんはその程度のものなのでしょう。
人生も折り返しを過ぎると、些細なことはあまり気にならなくなります。
周囲の目がありますから、それなりに気にしているふりをすることもあるのですが、内心では、「まあ、何とかなるだろう」と楽観的に考えています。
とはいえ、13日の金曜日はいまだに気になりますし、様々なルーティーンもやらないと気持ちが悪いです。
今続けているゲン担ぎも、思い切ってやめてしまおうかな。
いやいや、そんなことをして日本に隕石が堕ちたら大変だ。
というわけで、今日もゲンを担ぎ続ける私でした。