夜明け前の峠で思うこと

夢グレ以降、ランニングに関して投稿していなかったので、一部の貴重な読者から「最近、やたら書籍に関する投稿が多い。挙句の果てに、鬼滅を描くとは。ランニングをやめてしまったのか」との声をいただきました。

いえいえ、相変わらず走っています。ただ、コロナ第三波の影響で、ランニング関係のイベントへの参加を見合わせたものですから、書くネタがなくなってきたのです。日々のトレーニングに関しては、以前の投稿でも書いたとおり、坂ダッシュやスピード練習を各々週一回行い、週末(土日のいずれか)には箕面の勝尾寺までの峠走も淡々とこなしています。12月に入って見ごろはやや過ぎたかもしれませんが、それでも鮮やかな紅葉に思わず足を止めて見入ってしまうこともあります。

鮮やかな箕面の紅葉

峠走は、ふもとから箕面の滝までが2.5km、滝の近くの駐車場まで0.5km上り、そこから勝尾寺まで更に3km上ります。初めは勝尾寺まで上って、そこから帰路についていたのですが、最近では「おかわり」と称して、駐車場から勝尾寺までの上り下りを繰り返すようになりました。「おかわり」1回で上り3km、下り3kmの合計6kmほど距離が増えます。

現在、「おかわり」2回はこなせるようになりましたが(家からの総距離34km)、あと1回追加して、コンスタントに40kmは走ろうと考えています。

峠走の日は朝4時に起床し、1時間ほどで朝食や準備、ストレッチ等をこなし、5時過ぎにはスタートします。この時間ですと、勝尾寺へ上る道中は真っ暗で、1回目のお代わりをする頃にようやく東の空が白み始めます。

勿論、懐中電灯で足元を照らしながら走るのですが、先週の土曜日、滝近くの駐車場を出たあたりでライトが切れてしまいました。時刻は6時前。太陽が昇るまで待機することも考えたのですが、車が通る気配がなかったので、そのまま走ってみることにしました。

峠道は街灯もなく、月明かり(幸いこの日は満月に近かった)だけを頼りに、暗闇の中を駆け上がっていきます。

辺りは静まりかえっています。不思議と恐怖感はなく、むしろ、本当に自分がこの場所にいるかどうか、現実の世界なのかどうか、だんだんとわからなくなり、まるで夢の中で走っているような感覚になりました。

勝尾寺に到着するころには東の空が白み始め、辺りの様子が次第にはっきりとしてきました。無灯ランは時間にすれば20分程度だったでしょうか。非常に危険ですので、無灯ランは今回限りにしようと思いますが(決して真似はしないでください)、なかなか得難い経験にちょっとした感動を覚えました。

トレイルランナーの山本健一さんの著書「トレイルランナー ヤマケンは笑う」で、「真夜中にヘッドライトを消して、満天の星空を20秒近く立ち止まって眺めていたら内なる野生のスイッチが入った」というシーンがありました。さすがに20分程度峠を走っただけで、その境地には至りませんが、ほんの少しだけ野生の感覚の尻尾を掴んだのでは、と勝手に思う次第です。

余談ですが、薄らと輪郭を表してきた山々を見たとき、鬼滅の刃の「那田蜘蛛山」の戦いが終わって、夜が明けるシーンを思い出しました。太陽の光を見たとき、「あ~、これで鬼に襲われる心配はなくなった...」と、妙な安心感を覚えると同時に、「炭次郎は真っ暗な山の中でどうやって鬼たちと戦ったのだろう?」と真剣に考えてしまいました。

どうやら、現実とフィクションの区別もつかなくなったようです。

闇には不思議な力がありますね。皆さん、要注意です。

4年前に走った天竜川の山中の写真です 那田蜘蛛山みたいですね

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