ハレー君

昨年11月14日の投稿「(鬼滅風に)ゲン担ぎ柱 仁楠 信二朗」で、ゲン担ぎのことを書きましたが、そのときに書き忘れたゲン担ぎの一つに、「新幹線に乗ったとき、車窓から浜名湖を眺める。しかも太平洋側」というのがあります。浜名湖は東京-大阪間のちょうど真ん中あたりに位置します。車窓から見える舞坂町観光シンボルタワーの赤鳥居を、「あ~、やっと半分か」という思いで眺めることを繰り返すうちに、いつしかその行為がゲン担ぎになってしまいました。見ないからといって別に災いが降りかかってくることはないのですが。

うかうかしていると、浜名湖を通過して、気がつけば豊橋駅、あるいは掛川駅なんてこともたまにあります。新大阪駅や東京駅を出発するときに、1時間10分後にアラームをセットして、赤鳥居が見えるのを今か今かと待っています。

さて、先週も東京に出張する機会があり、東京からの帰りに新幹線を使いました。東京駅を出発したのが19時でしたので、浜名湖を通過する頃には辺りは真っ暗です。果たして今はどの辺りだろうと、スマホの地図アプリを確認したところ、地図上に現れた現在位置を表すシンボル(青い●にハレー彗星のようなシッポが付いたもの。以下「ハレー君」と呼びます)が凄いスピードで移動しているではありませんか。

これはハレー彗星
これがハレー君

地図を広域にして日本列島全体が画面に収まるまで縮小すると、ハレー君は止まったまま動きません。だんだん範囲を絞って地図を拡大していくと、ハレー君は次第に動き始め、拡大すればするほど、そのスピードは速くなり、ワクワク・フォキドキ、興奮が止まらなくなってきました。

地図を拡大しすぎると、ハレー君は一瞬で画面から消えてしまい、「おいおい、ハレー君、どこ行くねん!」となりますが、程よい縮尺に合わせると、ハレー君はまるで命を得たように、躍動感を持って進み続けます。その様子が妙に可愛らしく、バッテリー残量のことも忘れ、すっかりハレー君のとりこになってしまいました。

特に、画面上に現れていないハレー君が次第に画面の端に近づいてきて、シッポが見え始めた瞬間(シッポは進行方向につきます)、脳内のドーパミンが一気に放出され、興奮はMAXになります。お前はいったい何に興奮しているんだ、という疑問はとりあえず横に置いておきましょう。次第に近づいてくる雰囲気がヒシヒシと伝わり、それはまるで映画「ジョーズ(1975年上映)」で、姿の見えない巨大サメが海底深くから、あの音楽(ジャージャン、ジャージャン)とともにだんだん近づいてくるシーンさながらです。

しばらくハレー君の動きに見とれていると、次第に不思議な気持ちになってきました。自分は今まさに「この」ハレー君に乗って、もの凄いスピードで移動しているわけで、それをあたかも鳥の目で、いや、人工衛星に乗った宇宙飛行士の目で、いやいや、遙か彼方にいる神の目で見ているような錯覚に陥り、なんとも言えない感慨が湧き上がってきたのです。

「たかがスマホの地図アプリに何を大げさなことを言っているんだ」と思われるかもしれませんが、皆さんも新幹線に乗った際には是非お試し下さい。きっとハレー君のとりこになると思いますよ。

ところで、飛行機でこれをやったらどうなるんだろう? 今度、試してみようかな。

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